徳島県美馬市ふるさと体験会レポート

大阪と神戸のハーフである私には、ふるさとがありません。

仕事や人間関係などで疲れたときには、自然の景観と懐かしい日本の文化が残る、どこか「日本の心のふるさと」のような地域へ出かけたくなります。

そこでは、自然と里の人々が育んでくれる、安心安全で美味しい食べ物に出会えます。

楽しいことだけではなく、跡継ぎがなくて、縮小せざるおえなくなった農業や林業の姿も目の当たりにすることも。

元気な食農倶楽部の皆さんとも、是非ご一緒に、また出かけて、いろんなことを考えてみたい、そんな旅のレポートをさせていただきます。

美馬市は、徳島県の阿波市に隣接する山間の町。日本百名山の剣山、暴れ川で名高い四国三郎吉野川、四国で一番の清流穴吹川などの豊かな自然と、藍の集散地として往時の繁栄を今に伝えるうだつの町並みなどの文化遺産も多く残っている素敵な町です。近くには、名所としてしられる祖谷のかずら橋、大歩危小歩危があります。大阪から淡路島を通って、徳島自動車道に入り、約2時間半で到着。こんなに近いのに、近畿圏では意外と知られていないように思います。

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今回は、ふるさとを愛する近畿美馬ふるさと会のメンバーとご一緒させていただきました。

美馬市の役所の皆さんが、細やかな心配りでお世話いただき、また地元にお住まいの皆さんも、歓待をしてくださり、地元ならではのお話をお聞かせいただいたことが、とてもうれしく、通常の旅行では味わえない体験を一杯させていただきました。mima16

元気な食農倶楽部の前身、元気なオヤジ倶楽部で和歌山の田舎を旅して回ったことが、懐かしく思い出されました。でも、役所の方々が、こんなに一生懸命、朝から晩まで、おもてなしいただいたことは初めてで、美馬市がもっと好きになりました。

今回のツアーは、山また山の中、木屋平地区がメイン。木屋平出身のMさんは、行きのバスの中でも、いろいろ木屋平のお話をしてくださり、「今回のふるさと体験会、子供の遠足のように、前の晩、うれしくて眠れなかった。」と。

木屋平地区は、人口が6000人から、1000人に減ってしまったとのこと。山間にわずかに残る家を見つけると、あ、まだ残っていると、バスの中の人の声。。道行く人も見かけません。

Mさんが案内してくださったところは、ガソリンスタンド。なんと、そこには、たくさんの人が・・・。と思いましたが、実は、皆、ぬいぐるみの等身大の人形です。ガソリンスタンドのお嫁さんたちが作って、晴れた日には外に出してくれているそうです。その人形の衣装やしぐさが、本物そっくりで、思わず笑顔になりました。

でも、その後で、過疎の村、人影が少なくなってさみしいので、せめて人形でもと思う、その気持ちに、ちょっとホロリ。

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木屋平出身の古老は「子供のころ、ばあさんを目医者に連れて行くのに、提灯を下げて一晩歩いて山を降り、朝一番の診察に間に合わせた。帰りは、また、ばあさんの手を引いて、家に帰るころには、また、とっぷりと日が暮れていた。」と。こんな話しが聞けるのも、ふるさと会ならでは。

木屋平のメイン観光は、重要文化財の三木家。ご当主が大阪から急遽もどってくださり、自らご説明をしてくださいました。そのお話に、びっくり。

上古以来歴代の践祚大嘗祭に、あらたえ(麻布)を献上して、朝廷と深いつながりをもっていたという。現代も、三木家の前の庭には、大麻を植える場所があり、警察官立会いのもと、大麻を刈り取り、それで麻布をつくっているという。綿々とつながる歴史と文化に、誰もが、感心することしきり。

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このあと、栗拾いと林業の新しい試み、森のショーウンドウを見学する予定が、いきなりの雨。山の天気は変わりやすいことも、身をもって体験。

宿に帰って、ゆっくり。

森のショーウインドウを展開するウッドピアの社長さんから、日本の森を守る七つの基準や,人間一人が年間呼吸して排泄するCO2は、22本の杉の木があれば吸収してくれるお話などを伺いました。で、森のショーウインドウとは何ぞやと、私は興味津々。

SGEC=緑の循環認証会議の環境配慮の展示林とのこと。樹木毎に木材強度や住宅部材の推奨用途などを記載したプレートが一本一本に掲げてあるという。家を建てるときに、森の木、一本一本、選んで購入ができるとのこと。ああ、それで、ショーウインドウなのねと、納得。

家を建てるって、人生で大きなことだから、木から選べるなんて、かなり素敵。建築家の方や大工さんたちと、一緒に木を選びに来る、そんなことから、家作りができたら、きっと大切にできる家とホームができそうです。日本建築家協会に、ぜひ、提案してみよう。

夜は、役所の方や地元の方も交えて、バーベキュー。ビールやお酒もたっぷり用意されていて、思わず、にっこり。美味しい地酒「穴吹川」もありました。

美味しいお肉もタップリ用意されていましたが、私は、珍しいあまごの姿寿司と地元の手づくりこんにゃくと硬くて味わい深い豆腐と赤芋を大きな櫛に刺して焼き、味噌を塗ったものが、美味しくて。こんな地元の料理が、とても、うれしい。

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翌朝、私にしては珍しく、朝早くおきて、散歩。前の日に行けなかった森のショーウインドウにも。あれ、作業員がこんなに早朝からと思ったら、ここにも作業を紹介するぬいぐるみが。本当に作業しているみたいに、あちこちに。これは楽しい。森もよく手入れがされていて、うれしそうに見えました。ここは、見学、お勧めです。

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さて、今日は、剣山に登ります。途中まではリフトなので、大丈夫と思いきや、空気が薄くて、1時間あまりの登山は、きつかった~。メンバーでは、まだ若手の方でしたが、一番へばっていたのが、私です。はあ~。

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小説のモデルになったという頂上のヒュッテのご主人の案内で、見所一杯の登山。よく晴れていると、瀬戸内海や紀伊水道もみえるという。見えたのかも知れませんが、いつも説明のころ、まだ、後方でゼイゼイいいながら登っていたので、定かでは有りません。泣。

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でも、墨絵のような山の重なり、無残な倒れ木の風情、とりどりに咲く秋の花など、私なりに、剣山を楽しんできました。

昼食は穴吹川のほとりで。あまごの釣堀のそばで、あまごが香ばしく焼かれています。味噌で煮込んだ地元の椎茸と玉ねぎもことのほか美味しい。

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あまごは、一匹食べたら、後は自分釣ってくださいとのこと。じっと座り込んでるお客の変わりに、役所の方々が一生懸命釣ってくださっています。ようやく、思い腰を上げた人たちも、ボツボツ、釣に参加。でも、なかなか釣れない。私は、是非、二匹目のあまごが食べたくて、初めてのあまご釣りにトライ。ビギナーズラックで、見事、一投めで、あまご、ゲット。なんと釣ったのではなく、餌をとられた直後に、針でおなかを引っ掛けて吊り上げたのでした。でも、ゲットしたことはしたのだからと、皆さんに拍手をいただいて、上機嫌。小さいあまごでしたが、しっかり味噌煮にしていただきました。食材を自分の手で採るのは、都会暮らしのものにとっては、とても楽しい、感動的なことですね。

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いよいよ、帰る時間が迫ってきました。美馬市のメイン市街地、脇町に戻って、うだつの町並みの見学。ちょっと時間がないかなと心配していた念願のレトロな劇場「オデオン座」も、地元のKさんのご配慮で見学することが出来ました。川のほとりに立つ、レトロな劇場は、山田洋二監督の「虹をつかむ男」の映画の舞台になった劇場です。この劇場で、なにか公演をしてみたいなと。昔の映画館のように、売り子さんが「お煎餅にキャラメル~」なんて、客席を売り歩くのも面白そう。

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お土産をいっぱい買って、土産話しも一杯もって、帰途に着きました。昨夜の懇親会で出会った方の、手づくりオランダパンも、忘れずに買いました。

ぜひ、また皆さんをお誘いして出かけたい、美馬市木屋平の旅でした。

お世話になりました皆様、本当にありがとうございました。